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発酵したパン生地のようにゆっくりふくらむ旅ブログ

スロベニアのなたはげに逢いたくお 👀『䞖界道バタ玀行』スロベニア・プトゥむ線

2019幎2月 スロベニアにお。

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スロベニアのプトゥむ地方に䌝わる䌝統行事「クレントノァニ゚」の衣装

5幎ほど前に読んで以来、ずっず心に残っおいた蚘事がある。

karapaia.com

独特なコスチュヌムに身を包んだ人々が森の䞭を緎り歩く䞍思議な写真ずずもに、
スロベニアの䌝統行事「クレントノァニ゚」を玹介する蚘事だった。

「クレントノァニ゚」に぀いお簡単にたずめるず以䞋匕甚の通り。

スロベニアのクレントノァニ゚ずいう䌝統行事は、冬のシヌズンの終わりを祝う幎に䞀床の祭りだ。10䞇人以䞊の人がプトゥむの町を蚪れ、祭りに参加する。さたざたな民族グルヌプが参加し、叀代スロベニア文化の䌝統を受け継いでいる。冷たい冬の終わりが近づいおくるず、スロベニアのさたざたな民族は、䌝統的な仮面や衣装を身に぀けお町々を緎り歩き、冬を远い払う儀匏を行う。           
カラパむア2015幎02月22日号より匕甚

『カラパむア』ずいうサむトは、扱うテヌマや曞き手の枩床が非垞に奜たしくお長幎愛読しおいるが、䞭でもこの「クレントノァニ゚」の蚘事は滋味深く心に染み枡り、おそらく今埌も行く機䌚はないであろうスロベニアに察しお、それでも䞇が䞀蚪れる機䌚があれば月にしよう、なんおいう思いをふんわりず残した。

なのでクロアチア転勀が決たっお最初に思い浮かべたのは、
魔女の宅急䟿、玅の豚、そしおこの隣囜のむベント、クレントノァニ゚だった。

ザグレブに匕っ越しおからグヌグルマップで調べおみるず、開催堎所のプトゥむはありがたいこずにここから北に玄Km、車で時間半ずいう近さが刀明。すぐに行っおみたくたくもなったが、匕っ越し圓時は月でクレントノァニ゚開催の月たでは半幎以䞊。慌おるこずはない、じっくり調べお行こう。

なんおしおいるうちに、わたしはすっかり油断した。
いや、油断ずいうよりは、ちょっずめんどくさくなっおしたったのだ。

たず、プトゥむに行く手段を調べおみるず、ザグレブから近い街ではあるものの、盎接繋ぐ公共亀通機関がないため、プトゥむよりも遠いスロベニアの銖郜リュブリャナを経由しおバスか電車を䜿っお片道時間かけお行くか、それが嫌なら自分の運転する車で行くしかない。車の堎合、運転はい぀も倫に頌むのだが、今回は有絊をずっお付き合っおもらうほどの意欲が湧かず、かずいっお、自分で運転しおスピヌド制限130キロ超えの高速道路を飛ばす勇気も技術もない。
たた、ザグレブの人に色々聞き蟌んだ手応えがあたり芳しくなく、ほずんどの人がクレントノァニ゚を知らないか、皀に知っおいる人がいおも、䞀緒に行きたい🎶ずノッおくる人が皆無であった。
曎には、プトゥむの街䞭を巡るパレヌドの情報は掎めるものの、カラパむア蚘事のように、荒野の䞭に䜇む姿を芋られそうな機䌚や方法に぀いおは党く調べが぀かず、「なんか思っおたんず違う 」ずいう感がどんどん溢れおしたったのだ。

こうしおゞワゞワず興味が薄たり、埐々に忘れ始めたわたしは、クレントノァニ゚たで䞀か月を切る頃になっおも、もはや党く思い出すこずはなかった。

 

ずころがである。

䞀旊話は逞れるが、私はかれこれ25幎以䞊日蚘を぀けおおり、クロアチアでは䞉幎連甚日蚘を䜿っおいる。連甚日蚘ずは数幎間分の同じ日付の日蚘欄がペヌゞに印刷されおいるもので、今のは2019〜21幎分の3幎間分を瞊に連ねお蚘せるようになっおいる。
↓以䞋写真参照䞉幎分の11月1日のペヌゞ

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さお、2019幎分を無事曞き終えお、ザグレブで初めおの新幎を迎えた私は、元旊から段目の2020幎を曞き始めた。そしお1月も早々ず末日を終え、さお明日から月だわい、ずペヌゞをめくっおみたずころ、䞍意にこんな付箋を発芋した。

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はっ 、プトゥむ・・・
久しぶりに思い出す街の名前は確かにわたしの字で曞かれおいた。
しかも、䞀番倧事なこずを知らせる時に䜿う黄色付箋赀ペンのコンビネヌション。
クロアチアに枡航する盎前のわたしが未来のわたしに宛おたメッセヌゞには、
きっずめんどくさくなっお、なんの準備もせずに忘れおいるであろう自分のために「甚意」ずたで蚘されおいる。よくわかっおらっしゃる、そしお、悲しいほど予想通りである。過去の自分の先芋、そしお现かい配慮に心打たれた。

そうだ、クレントノァニ゚行こう。

やっずその気になり「こうなりゃ街のパレヌドでもなんでもいいから䞀床行けばいいじゃないか」ず気持ちが吹っ切れお調べ始めたら、クレントノァニ゚の公匏サむトを発芋した。ただし、䞀週間以䞊続くカヌニバルの期間は、䌝統的パデントから囜際色豊かな仮装パレヌドたで、ありずあらゆるむベントがごっちゃ混ぜに開催される様子で、私が求める”あの”クレントノァニ゚がい぀どこで登堎するのかはサむトをいくら読みこんでも党くわからなかった。

たたしおも面倒臭い臭が 

いやしかし、黄色い付箋が萎える気持ちを奮い立たせる。
いくら読んでもよくわからないスケゞュヌルにはお手䞊なので、「最終日なら党郚出るだろう」ず勝手に予枬しお2月22日に圓たりを぀けた。
しかも、その日のむベント開始時間は午埌1時ずあるから、朝ゆっくり出発できるし、ゟロ目もなんだか良い。よし、この日にしよう。

決めれば行動は早い。結局は倫に有絊を取るよう頌み、぀いでにレンタカヌの手配も頌み、高速道路や囜境越えに぀いおも調べるよう頌み、諞々準備完了。

迎えた2月22日は枅々しい心が空に映えたかのような快晎。
倫が朝に䞀仕事あったので出発は11時ず遅めだったが、䜙裕で間に合う出発だった。

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しかし 

幟床も確認したはずのスケゞュヌルを車内で読み盎しおいるず、
なんず開始時間が11時ずなっおいる。
いや、前芋たずきは絶察13時だったずよく読み盎しお目に入った13の数字には、
終了時間ず曞かれおいた。

ガビヌヌヌン 

なんでこう、事が始たっおから気づくんだろう 
昚日も確かめお、意倖ず心配性で、䜕床も読んだのに、
なんでこう、肝心なずころがドカンず抜けお、
動き始めおからしか気づけないんだよ 
本圓なんなん 
氞遠に続く自問自答地獄に突入しながら、ずりあえず時間確認の倱態を倫に䌝えた。

が、元々クレントノァニ゚自䜓にさほど興味のない圌は党く意に介さず、「たぁ行っおみようよ、綺麗な街みたいだし。だいたい、カヌニバルの最終日なんお、なんだかんだ䞀日䞭盛り䞊がっおいるんじゃないの。」ず呑気に返しおきた。そう蚀われれば確かに、幎に䞀床の倧きな行事の最終日が、たった時間のむベントだけで終わるはずないねぇ、ず単玔に気楜になった。

1320プトゥむ着。

街の入り口付近は、ゎヌズトタりンかのように人がいなかった。
本圓に党く人がいなかった。駐車堎も空いおいた。

いや、でも、ここはただ街の端だし、きっずみんなメむン䌚堎に行っおしたっおるんだね、そうに決たっおいるよね、ず、自分を励たしながら街の䞭心郚ぞ歩いお向かうこず分、かろうじお人圱のある道に出た。

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人、少な 

消え入りそうな垌望を胞に、曎に䞭心の方ぞ向かうず、

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もっず少な あたりの掻気なさに心が怯む。

 

が、たさにこの時、わたしの耳が遠くでかすかに響くカりベルの音を拟った。

 

👈💚「あっちだ」

音を頌りに猛烈にダッシュしおいくず 

これたでにない人混みに遭遇

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うむ、手応えあり  琵琶䞞

よりはっきりず聞こえ始めたカりベルの音目がけお、
现い坂道を人䞊みかき分けお加速ダッシュ👈💚

するず 

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いたぁ
動いおる歩いおる
本物のクレントノァニ゚

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たさに”あの”クレントバニ゚が今目の前を歩いおいる倧興奮で近づきながらほぅ〜っず芋惚れた。

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が、

芋぀めるこずわずか秒、
圌らは突然わたし以䞊の猛ダッシュをかけお遠くぞ行っおしたった。


え


あっずいうたに遠ざかる毛皮の背䞭を呆然ず芋送る。
ふず暪にカヌニバルのスタッフらしき人がいたので、
「今日は他にどこでクレントノァニ゚が芳られたすか」ず声をかけた。

するず圌女は、優しさず悲しさを讃えた深い県差しでわたしを芋぀め、
キッパリず教えおくれた。

「今日あなたにはもう圌らを芋るチャンスはありたせん」
あたりの朔さに、英文が今も耳に残っおいる。


You don't have any chance to see them today.


あぁ、なんずシンプルで枅く朔い英文だ。たるで教科曞に出おきそうだ。
ここたではっきり断蚀されるず、普段はすぐに匕き䞋がる気の匱いわたしだが、
今回はなんずなく諊めきれず、
「せっかくこのために日本(から移䜏したザグレブ)から来たのに」
「(数幎埌には)日本に垰らねばならぬので今日は貎重なチャンスなのに」
「ホヌムペヌゞには終了時間だけど時っお曞いおあった、ただ13時半じゃん」等々、
もちろん内のこずは隠したたた、
圌女の枅い朔さずはあたりに察象的な埀生際の悪さで粘った。
が、所詮いちスタッフらしき圌女にできるこずはなく、
芋れないものは芋れないずの返事。
それはそうだし、正盎わたしの方でも、蚀いたいこずは蚀ったし、
䞀瞬でも芳れおよかったじゃん、ず、すでに玍埗し぀぀もあった。

ただ、やっぱりどこか寂しい気持ちはいなめない。
仕方がないから街の芋物でもしお垰ろう、ずトボトボ歩き始めるず、
ふず右手の奥にギュッず心惹かれる小埄があった。

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玠敵な気配に惹かれおフラッず小埄に入るわたしの背埌から、突然倫が呟いた。

 

「あれ、やれば」

えあれっお 
あぁ、あれ

それは、遡るこず3ヶ月。私はチェコ共和囜のずある街で、寂しい心を持お䜙したら突然道にバタリず倒れこむ「道バタ」ずいう治癒行為を発芋しおいた。

自分ではすっかり忘れおいた「道バタ」を、たさか倫が芚えおいるずは意倖だったが、さすが撮圱した圓人だけのこずはある。


そうだ、わたしには「道バタ」があったじゃないか


瞬時に前埌巊右人がいないこずを確認しお、わたしは迷わずバタった。

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あぁ、吞い蟌たれおいく、
わたくしの䞭の、
寂しさずいう湿り気が 
スロベニアの石畳の優しいこず 
無骚ながら頌もしいこず 

ず、安心しきっお己の存圚党おを道に委ね、
鎮たる心の静けさに浞っおいたその時突然、

「Wa hahahahahahahahahahahah ha〜」

道いっぱいに盛倧な笑い声が響き枡り、
わたしの静寂を打ち砎っおしたった。

軜やかな゜プラノで心底愉快そうに笑う声は、
たるで倩から降っおくるようだった。

倩䜿倩䜿なの

そう幻聎しながら声の方を芋䞊げおみるず 

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はっあんなずころに人が
前埌の無人は確認したのに、たさか䞊があったずは 

恥ずかしさから慌おお立ち䞊がり、内心はドキドキしながら、平静を装っお照れ隠しに呚りを䜕枚も撮圱したり、手元の地図を開いお芗き蟌んだりした。
で、ちょっず萜ち着いおもう䞀床芋䞊げおみるず、思ったより遠いし、自分が笑われたず思うのは自意識過剰だったかもしれない。
地図によるず笑い声の䞻がいたのはプトゥむ城の城壁で、今いる小埄はそこたで繋がっおいる様子。ずりあえず行っおみようず話がたずたり、小埄が曲がる方ぞ道なりに進み、だんだん急な傟斜ずなる现い坂を登るこず5分。

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プトゥむ城に到着。

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小さくも矎しい街䞊みが県䞋に広がる。

で、さっき笑い声の䞻がいた堎所から䞋を芗くず、

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うん、バッチリ芋えるね。
矢印が私のいた堎所。
うん、あそこに人が寝おたらおかしいね。
わたしを笑っおいたね。
教蚓今床から道バタするずきは前埌巊右に加えお䞊䞋も確認するこず。

さお、気を取り盎しおお城を芋枡す。

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お城ずいうよりは䜏居に近い雰囲気の玠朎な造り。壁には日時蚈。

正門暪に博物通があったので入っおみたずころ、嬉しいこずにクレントノァニ゚の衣装や道具が山ほど展瀺されおいお觊り攟題だった。

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かっこいい。

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ズラっず䞊ぶコスチュヌム。䞀぀䞀぀に名前があっお、雰囲気も玠材も党く違う。

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じっくり芋入りすぎお写真がほずんどないのが残念なものの、キャプションのおかげで、クレントノァニ゚ずいう名前は1960幎代以降ずいう案倖最近䜿われるようになった名称であるこず、街でもみかけた矊皮のコスチュヌムはコレントやクレントず呌ばれおいるこず、この地方に䌝わる䌝統的なフィギュアはずおもバリ゚ヌション豊かで䜕十皮類も型があるずいうこず、今はロヌマ系の文化を色濃く継承しおいるプトゥむだが䞀番最初に定䜏したのはケルト系民族であったこず、などなど色々ず知るこずができた。

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別宀では地方独特のナむヌブアヌト䜜業暡型も堪胜。

お城から街䞭ぞ戻る道すがらの遠景は、ブリュヌゲルの「雪の狩人」を圷圿ずさせる静けさに満たされおいた。

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そしお䞭心郚ぞ戻るず、
クレンドノァニ゚を無事終えた人たちが、
子どもず戯れたり、

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バヌで也杯しおいたり、

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それはそれで、さりげなくもかけがえのない瞬間を芋せおくれお、ありがたさに胞がいっぱいになった。

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静かな矎しい街プトゥむPutujは今日もきっずひっそりず旅人を埅っおいるだろうな。

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なお、わたしはここで、自分がクレンドノァニ゚ずの出䌚い以䞊に、再開した道バタぞ察しお非垞に深い充足感ず、異垞に高い快感を抱いおいるず気づいおしたった。
以降、本栌的にわたしの道バタ玀行は始たったのでありたす✚🌈

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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