2020-01-01から1年間の記事一覧
回文あれこれ 回文は、なぜあれほどグッとくるのだろう。 上から読んでも下から読んでも同じ文章になるという、ただそれだけのことなのに。 回文という漢字からして、このシンメトリックな魅力。トマトや八百屋といった3文字言葉や、新聞紙(しんぶんし)な…
キューバ共和国の首都ハバナにあるアルメンダーレス公園の大森林 たまに猛烈に『樹』に触れたくなる。そういう時に紐解く三冊。『木はいいなぁ』 ユードリイ さく シーモント え さいおんじさちこ やく木がある。ただそこに、暮らしのそばに、起きて、食べて…
おかえり図書館Biblioteca íntima とは アルゼンチン時代の机 ハラハラしたりオロオロしたりはしゃぎすぎてしまったりふと自分を見失いそうになるたびに本はいつも大事な芯に立ち返らせてくれるかけがえのない存在です。おかえり図書館にはこれまでたくさん…
まん丸顔に立派なおひげの”おとうさん”と、やんちゃだけどとっても愛らしい小さな”ぼく”。二人の何気ない日常をユーモアたっぷりに描いた作品『おとうさんとぼく』は、ドイツ人風刺画家 e.o.プラウエンの8コマ漫画。 作中にはセリフがほとんどない。 にもか…
2020年夏、クロアチア共和国。 正直、もうどうでもよくなっていた。真夏の炎天下、日陰一つない道を彷徨うこと1時間。野生のオリーブが群生する保護区で、わたしは樹齢2000年のオリーブの古木を探していたが、普段の運動不足もたたって熱中症一歩手前、もう…
キューバ最東端の小さな町バラコア(Baracoa)今日の物語の舞台です。 先日、ナショナル・ジオグラフィックにこんな記事が出ていました。 「世界一美しいカタツムリ、絶滅危機と懸命な保護活動」 natgeo.nikkeibp.co.jp ポップな色彩の殻を持つキューバ固有…
「道バタ」しながら耳をすますの図 5年前、自分にしてはかなり責任の重い仕事に携わり、 2ヶ月ほど働きづめで、やっと終わりが見えてきた頃、 おでこ周りの毛が一晩で大量に白髪になったことがある。 朝起きて夫におはようと声をかけると突然、 大丈夫か!…
2020年4月 おしごとのはなし。 キューバ児童書『Akeké y la Jutía アケケとフティア』ミゲル・バルネット 敬愛する図書館「国立国会図書館国際子ども図書館」様にご依頼いただき、共に1年かけて取り組んだプロジェクト「キューバの児童書ブックリスト作成&…
子どもの頃のおはなし。「自分には全く理解できない何かが起きている。」これは私の子ども時代を貫く感覚であり、未だ抱える恐怖の根源でもある。実際、かなり理解力の乏しい子どもだった。算数とか国語とかの知力を問われるもの以上に、もっと日常的で切実…
人類が揃って訊いてくる質問というものがある。例えばこれ、「人生最後の食事は、何が食べたい?」いきなり聞かれても困る。食に関する限り、こちらの肉体的な状況が非常に重要なファクターであり、かつ年齢や季節、疾患の有無等、様々な要因が影響するにも…
2019年2月 スロベニアにて。 スロベニアのプトゥイ地方に伝わる伝統行事「クレントヴァニエ」の衣装 5年ほど前に読んで以来、ずっと心に残っていた記事がある。 karapaia.com 独特なコスチュームに身を包んだ人々が森の中を練り歩く不思議な写真とともに、ス…
2019年12月 チェコ共和国第二の都市ブルノ去年のクリスマス・イブチェコ共和国南部にあるブルノという小さな町を訪れた。小さいながらも古き良きクリスマスマーケットが素敵だという評判を聞いてかなり楽しみにしていたが、着いた町はマーケットどころか商店…
全世界の国名や街の様子がこれほど同時多発的に報道されることは、未だかつてなかったのではなかしら?国際的なニュースといえば、例えば戦争やテロ、自然災害、スポーツ、観光etc...様々な国が一時的に注目を浴びて報道されることはあっても、よほど縁のあ…
『こぞうさんのおきょう』 新美南吉 やまでらの おしょうさんが びょうきに なりましたので、 かわりに こぞうさんが だんかへ おきょうを よみに いきました。 おきょうを わすれないように、 こぞうさんは みちみち よんで いきました。 キミョムリョジュ…
小学校の頃のおはなし。 お餅が好きだ。小さい頃からずっと好きだ。我が家はみんなお餅が好きで、一年中通して、週に3〜4回は食べていた。なので、18歳で一人暮らしをし始めた時も、お餅のストックは絶対に欠かさず、主食のように食べていた。が、それをみ…
小学生の頃からのおはなし。 「自分には全く理解できない何かが起きている。」これは私の子ども時代を貫く感覚であり、未だ抱える恐怖の根源でもある。 実際、かなり理解力の乏しい子どもだった。算数とか国語とかの知力を問われるもの以上に、もっと日常的…